透明人間の定義
透明人間になれたらという願望は男なら1度は考えたことだろう。
ここでは改めて「透明人間」についてきちんと定義しておきたい。
①物質透過タイプ
・建物などの物質をすり抜けられる。
よって、鍵のかかっている扉や建物の内部へと侵入できる。
・物質をすり抜けるので他人に直接触れることはできない。
いわば、存在していないのと同等の効果を得られるタイプの透明人間である。
ここで問題となるのが、
すべての物質をすり抜けるとすると、地面に立つことができるのか?
ということである。
物質を透過できるということを徹底すると、家などに侵入した際、まず床に立てないことになる。さらには、地面も物質の一種のため、そもそも地球上に立てる場所は無くなる。
②物質不透過タイプ
・物質を透過できない。
・直接触ることは可能。
いわば、見えないだけの透明人間である。
この場合、ただ見えないだけなので、自らの発する音、匂い、気配などは相手に伝わってしまうこととなる。
何より、物質を透過できない為、建物に侵入する場合は難儀である。
①のタイプの透明人間だと、地球上に存在できず、話が破綻してしまうため、
「足の接地面だけは透過しない」ということにしておく。
となると、①と②、どちらの透明人間を選ぶだろうか?
①、②の透明人間に共通して問題となるのが、まず
・「透明になる範囲」
ここでは、その者の体の一部や、それに触れているものは透明になるとする。
そうすると、透明人間の履いている靴は透明になる。
となると、その者の体の一部や、それに触れているものに更に触れているものも、透明になるのか?
という問題が新たに発生する。
これも透明になるとすると、透明人間が履いている、透明な靴に触れている地面は透明になってしまう。
すると地面の範囲の定義は・・・・となってわけがわからなくなるので、透明人間に触れている物質に更に触れている物質は透明にはならないことにする。
つまり、透明人間がベッドで寝たとすると、
枕、掛け布団、マットレスは透明になり、枕カバーの中のストローを輪切りにした奴や、マットレスの下の木枠はそのまま知覚できることになる。
透明になる範囲を体の一部に触れるとすると、更に
・「体の一部に触れる時間」
が問題となる。
一瞬でも体の一部に触れた者は透明になるのか、触れている間のみ、透明になるのかということである。
例えば、触れている間のみ透明になるとすれば、街中で、一般人とすれ違う時に肩が触れたりするとその人は一瞬消えて、また現れることになる。
逆に、一瞬でも触れた者は透明になるとすると、たまたま触れた人がずっと「透明人間」として暮らすことになる。これはもはや「透明能力の分配」である。そうなるとまた、「透明能力が分配」された際の、時間制限などの問題に派生する。
また、②の物質不透過タイプの透明人間だとし、
触れている間のみ透明になることを適用すると、建物にもたれ掛かると、その建物自体も透明になることになる。
わけがわからなくなるので、折衷案として、
自身の所有物でないものは、体の一部に触れたとしても透明にはならない。
とする。
こうすれば、街の一般人や建物に触れたとしてもそのものは透明にはならない。
とりあえず、今思いついた問題は片付いたことにする。
透明人間になる契約を持ち出された際には上記のような事項について先方に確認しておかないといけない。